37℃のグラビティ
「アタシがアタシじゃなくてもいい!! 新海くんと一緒に居たい!!」


いきなり言い出したアタシに、新海は相変わらずのポーカーフェイスで言った。


「お前、自分が何言ってんのか、わかってんの?」


「ずっとが駄目なら、今日だけでもいい。新海くんと一緒に居たいの」


新海の問い掛けの答えにもならない答えを言って、アタシの体は小さく震える。


それは寒さなんかじゃなくて、立っている感覚さえ失いそうな緊張。


新海は困惑と呆れが入り混じった表情でアタシを見つめ……


何か言いかけた口元を結ぶ、とそのまま背を向けて、マンションを出て行った。


一気に緊張から解き放たれたアタシの体は、無言の拒絶に耐え切れず、その場にしゃがみ込む。


膝に額を乗せると、瞼の下に溜まっていた涙が、ポロポロとこぼれた。


心が痛くて……苦しくて……


張り裂けてしまいそう……


何か言われるより、何も言わない方が、よっぽど辛くて、深く傷つく時もある。
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