37℃のグラビティ
episode2:~柚希side~ 彼女の彼
始まりの夏
高校に入学して三ヶ月が経った7月の初め。
朝のホームルーム前、ざわめく教室の中。
ぼんやりとやる気なく頬杖をついているアタシは、北川柚希。
「ねぇねぇ、柚。今日このクラスに転校生来るんだって」
中学からの親友で、同じクラスの菊池明日香が、後ろの席のアタシを振り返り、嬉しそうにはしゃいで笑う。
「ふ~ん……」
アタシはそのままの体勢で、視線だけ明日香に向けると、全く興味ないと言わんばかりの相槌を打った。
アタシの冷めた相槌になんて、慣れっこの明日香は、気に留める様子もなく、楽しそうにペラペラと喋り出す。
「職員室にその転校生が入って行くの見た子が居るんだけど、超イケメンだって話だよ?」
「そんなにイケメンなら、彼女くらい既にいるって」
「もぉ~柚はっ!! そうやってあたしの夢を打ち砕かないでよ~」
そんな会話を明日香としているところに、担任がその転校生を連れて、教室へと入って来た。
朝のホームルーム前、ざわめく教室の中。
ぼんやりとやる気なく頬杖をついているアタシは、北川柚希。
「ねぇねぇ、柚。今日このクラスに転校生来るんだって」
中学からの親友で、同じクラスの菊池明日香が、後ろの席のアタシを振り返り、嬉しそうにはしゃいで笑う。
「ふ~ん……」
アタシはそのままの体勢で、視線だけ明日香に向けると、全く興味ないと言わんばかりの相槌を打った。
アタシの冷めた相槌になんて、慣れっこの明日香は、気に留める様子もなく、楽しそうにペラペラと喋り出す。
「職員室にその転校生が入って行くの見た子が居るんだけど、超イケメンだって話だよ?」
「そんなにイケメンなら、彼女くらい既にいるって」
「もぉ~柚はっ!! そうやってあたしの夢を打ち砕かないでよ~」
そんな会話を明日香としているところに、担任がその転校生を連れて、教室へと入って来た。