37℃のグラビティ
「北川さんってさ、おもしろいね?」
そんなセリフを男の子に、アタシは言われた事がない。
大抵の男の子は、どこかアタシに一線を引いて接する。
それは愛想のないアタシの性格と、見た目にあるんだろうけど、新海は違うの……?
「そんな風に、言われた事……ない」
「そ? 俺はすげぇ、おもしろいって思うけど」
「変わってるって言われない?」
「よく言われる」
そんな新海の失笑に、今度はアタシが小さく吹き出した。
向けられていた新海の悪戯な眼差しに気付いて、言われる前に言ってやる。
「アタシだって、笑う事くらいあるし」
「そりゃそうだろ」
何気ない新海の相槌が、まるで水面に投げ込まれた小石が円を描く様に、アタシの心に沁みて静かに広がっていく。
アタシの深読みだけど「今のままでいいじゃん」って、遠回しに言われた様な気がして……嬉しかった。
と、同時に、この場にこうして新海と二人きりで居る事が、何故か無性に恥ずかしくなる。
そんなセリフを男の子に、アタシは言われた事がない。
大抵の男の子は、どこかアタシに一線を引いて接する。
それは愛想のないアタシの性格と、見た目にあるんだろうけど、新海は違うの……?
「そんな風に、言われた事……ない」
「そ? 俺はすげぇ、おもしろいって思うけど」
「変わってるって言われない?」
「よく言われる」
そんな新海の失笑に、今度はアタシが小さく吹き出した。
向けられていた新海の悪戯な眼差しに気付いて、言われる前に言ってやる。
「アタシだって、笑う事くらいあるし」
「そりゃそうだろ」
何気ない新海の相槌が、まるで水面に投げ込まれた小石が円を描く様に、アタシの心に沁みて静かに広がっていく。
アタシの深読みだけど「今のままでいいじゃん」って、遠回しに言われた様な気がして……嬉しかった。
と、同時に、この場にこうして新海と二人きりで居る事が、何故か無性に恥ずかしくなる。