37℃のグラビティ
新海をどんなに気にしたところで、どうしようもないじゃん!?


アタシはその答えに先回りをして、そう結論づけると、それ以上考える事を止めた。


何気なく教室の窓の外へと移した視線。


四角い縁取りの中には、真っ青な夏の空が広がっている。


そう、もうすぐ夏休み。


その夏休みが明ける頃には、そんな自問自答をした事さえ、きっと忘れてるに違いない。


アタシはまだ軽くて浅い自分の気持ちを、そんな風に片付けた。


そこに夏の女神の悪戯が、待ちうけてる事も知らずに――
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