37℃のグラビティ
夕凪の時間(トキ)
長いと思っていた夏休みは、始まってしまえば案外、あっと言う間に過ぎてくもので……
アタシは結局、新海が旅行に行くのか行かないのかも、親にさえ訊けないまま、その当日を迎えていた。
待ち合わせの空港で、ゲームに夢中になっている弟に、わざとちょっかいを出してかまいながら、なんだか落ち着かない気持ちを誤魔化す。
「柚、触んなよぉ!」
この小生意気なクソガキ? は、弟の朋希で、ずっと小さな頃から、四歳年上の姉を「柚」と呼ぶ。
それを明日香に話したら、いつの間にか明日香まで、アタシをそう呼ぶようになった。
まだ小学六年生だっていうのに、彼女がいるとかいないとか!? ホント、最近の小学生って、マセ過ぎ!!
アタシは意味もなく、まるで八つ当たりするかの様に、朋希の頭をスパンと軽く叩いた。
「痛ってぇな!」
さすがに朋希も怒って、アタシに反撃。
軽くキョウダイ喧嘩が始まったところに、新海のお父さんがやって来た。
アタシは結局、新海が旅行に行くのか行かないのかも、親にさえ訊けないまま、その当日を迎えていた。
待ち合わせの空港で、ゲームに夢中になっている弟に、わざとちょっかいを出してかまいながら、なんだか落ち着かない気持ちを誤魔化す。
「柚、触んなよぉ!」
この小生意気なクソガキ? は、弟の朋希で、ずっと小さな頃から、四歳年上の姉を「柚」と呼ぶ。
それを明日香に話したら、いつの間にか明日香まで、アタシをそう呼ぶようになった。
まだ小学六年生だっていうのに、彼女がいるとかいないとか!? ホント、最近の小学生って、マセ過ぎ!!
アタシは意味もなく、まるで八つ当たりするかの様に、朋希の頭をスパンと軽く叩いた。
「痛ってぇな!」
さすがに朋希も怒って、アタシに反撃。
軽くキョウダイ喧嘩が始まったところに、新海のお父さんがやって来た。