37℃のグラビティ
「人が真面目に話してるのに、何笑ってんの!?」


「いや、北川でもそんな事思うのかって、ちょっと意外でさ」


「それ、どういう意味!?」


「北川ってサバサバしてるから、案外そういうの気にしないタイプかと思ってた」


それって言い換えれば、アタシが女らしくないって事だよね!?


そう解釈して、思いっきり嫌な顔をしたアタシに、少し真顔になった新海が言う。


「でも……確かに、お前の言うとおりかもな」


いきなり話の矛先を変えられて、そんなに素直に同意されたら、アタシも嫌な顔をしたままじゃいられない。


「そうだよ。それじゃなくたって遠距離なんだから、あんま彼女に心配かけない方がいいよ」


「余計なお世話」と言いたくなる様なアタシの言葉にまでも、「わかった」と言う様に、新海は口端をあげて小さく頷いた。
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