37℃のグラビティ
「何見せてんの?」


悪びれもなくいきなり訊かれて、またも思わず面食らう。


「何見てんの?」ならまだしも「何見せてんの?」って……何!?


言っている言葉の意味が理解出来ない事と「アーヤ」突然の登場に、フリーズしていると。


「どうせ見せるなら、もっと色気のあるヤツがいーんだけど?」


冗談と言うよりも「いい迷惑」と言わんばかりの顔つきで「アーヤ」が言った。


……ん!?


「アーヤ」の視線の先を辿って、自分のスカートを見る。


夜風にそよぐ膝上のフレアスカートを慌てて押さえると、アタシは興奮気味に叫んだ。


「ちょっ、見ないでよっ!!」


「チビで童顔のパンツなんか見せられても、なーんも感じないから」


アタシの地雷ネタを何食わぬ顔で、サラッと思いっきり踏む。


と「アーヤ」は涼しい顔を更に涼しくして、手にしていたスマホを見始めた。
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