37℃のグラビティ
素っ気ない態度を取りながら、アタシの心拍数はあがりまくりで、それを悟られたくないから、更にもっと素っ気なくなる……っていう、悪循環。


「ところで、体の調子どうよ?」


「あれから部屋帰って眠ったら、よくなった」


新海の顔も見ずに答えたアタシに、


「そっか。よかったな」


軽口ながら、優しさを纏った言葉で新海が返す。


こんな時、新海の彼女は、いったいどんな言葉を新海に返すんだろう……?


心配してくれている嬉しさとは裏腹に、何も口にする事が出来ずにいるアタシは、思わずそんな事を考えてしまっていた。
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