３７℃のグラビティ

出来る事なら、もう少し夏休みが続いてほしかった。


沖縄旅行から戻って、新海と会わずにいた残りの夏休みは、だんだん心が穏やかになっていく気がしていたのに……いざ、こうして新海の存在を近くに感じると、また胸の中に、小さなさざ波が立つ。


そんな自分がどうしようもなく嫌で嫌で、かといって、どう対処していいのかもわからず、恋愛のキャパシティーが少ないアタシは、新海と極力かかわらない様に過ごす事しか思いつかなかった。


とは言っても、普通に過ごしていたって、まずかかわる事なんて、滅多にないんだけど。


そんなアタシに対して、新海の方から何を言ってくるでもなく……季節は秋を通り過ぎ、気付けば冬になっていた。