37℃のグラビティ
テーブルには、ノンアルコールシャンパンとシャンパングラスの他に、オードブルまで並んでいる。
「どうしたの? これ」
「親父が注文してたみたいで、さっき届いた。だいたい俺ひとりで、こんなに食えねぇっつの」
「二人で食べても残るんじゃない?」
「確かに」
新海は相槌を打つと、軽快な音を立ててシャンパンを開け、注がれたグラスをそれぞれ手に持った。
「それじゃ、俺の一周忌に献杯」
グラス同士が小さな音を立てた後、グラスを口にした新海に言う。
「お葬式でもあるまいし、献杯はないんじゃない?」
「葬式とかわんねぇよ。あの日までの俺は、死んじまってんだから」
自嘲気味に笑って言った新海の言葉に、浮かべていたアタシの笑顔も、しだいに乾く。
「どうしたの? これ」
「親父が注文してたみたいで、さっき届いた。だいたい俺ひとりで、こんなに食えねぇっつの」
「二人で食べても残るんじゃない?」
「確かに」
新海は相槌を打つと、軽快な音を立ててシャンパンを開け、注がれたグラスをそれぞれ手に持った。
「それじゃ、俺の一周忌に献杯」
グラス同士が小さな音を立てた後、グラスを口にした新海に言う。
「お葬式でもあるまいし、献杯はないんじゃない?」
「葬式とかわんねぇよ。あの日までの俺は、死んじまってんだから」
自嘲気味に笑って言った新海の言葉に、浮かべていたアタシの笑顔も、しだいに乾く。