37℃のグラビティ
「お前も色んな俺の噂、聞いてんだろ?」
「聞いてるよ?」
ソファーを背もたれにして、並んで座るアタシ達は、お互いの顔を見ることもなく、シャンパンを飲みながら会話を進めていた。
「誰が彼女でもないし、誰の彼氏でもない」
「……そんな事だろうと思ってた」
「そんな俺に呆れて、柚は連絡してこないんだろうって、俺も思ってた」
「別に、そういうわけじゃないよ」
それはアタシの本音。
アタシはそんな新海に呆れていたわけじゃなくて、ただ自分から電話をする勇気が持てなかっただけ……
でも、そんな話を新海にするわけにもいかず、わざと軽口で話を逸らした。
「クリスマス・イヴだけど、マンションに誰かいきなり訊ねてくるとかないよね!?」
「それはない。誰もここに連れて来たことないし」
「でもさ、『一緒に過ごしたーい』って、色んな子に言われたんじゃないの?」
「誕生日とかクリスマスとか、イベントを一緒に過ごしたら、過ごした奴が勘違いすんだろ?」
「なるほどね」的な相槌を打ちながら、今ここでこうして新海と過ごしているアタシは何? と、思わず突っ込みたくなる。
「聞いてるよ?」
ソファーを背もたれにして、並んで座るアタシ達は、お互いの顔を見ることもなく、シャンパンを飲みながら会話を進めていた。
「誰が彼女でもないし、誰の彼氏でもない」
「……そんな事だろうと思ってた」
「そんな俺に呆れて、柚は連絡してこないんだろうって、俺も思ってた」
「別に、そういうわけじゃないよ」
それはアタシの本音。
アタシはそんな新海に呆れていたわけじゃなくて、ただ自分から電話をする勇気が持てなかっただけ……
でも、そんな話を新海にするわけにもいかず、わざと軽口で話を逸らした。
「クリスマス・イヴだけど、マンションに誰かいきなり訊ねてくるとかないよね!?」
「それはない。誰もここに連れて来たことないし」
「でもさ、『一緒に過ごしたーい』って、色んな子に言われたんじゃないの?」
「誕生日とかクリスマスとか、イベントを一緒に過ごしたら、過ごした奴が勘違いすんだろ?」
「なるほどね」的な相槌を打ちながら、今ここでこうして新海と過ごしているアタシは何? と、思わず突っ込みたくなる。