37℃のグラビティ
二人ではしゃぐというより、ポツポツと会話をしながら、ゆったりとした時間が流れていく。


「ねぇ、新海」


「ん?」


「もしも……元カノがヨリ戻そうとか言ってきたら……どうする?」


なんでそんな事を新海に訊いたのか、自分でもわからない。


わからないまま、口にしていた。


「んなの、あるわけねぇだろ」


「だから、もしもの話」


「『今更何言だよ?』とか『ふざけんな!!』とか言いながら、結局……」


言葉に詰まった新海に、オウム返しで訊く。


「結局?」


「許しちまうんだろうな……」


小さく苦笑いした新海の横顔に、何気なく安易に訊いてしまった問い掛けを今更ながら後悔した。
< 217 / 251 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop