37℃のグラビティ
「転校って言えば、Ⅲ組に転校生いるよね?」
『柚、そいつ見た?』
「今日たまたま職員室で見かけて、ちょっとびっくりした……」
『お前もやっぱそう思った? 世の中には似てる奴が3人いるっていうけど、間違いなくその内の一人だろうな』
遠慮がちに切り出した話をやけにテンション高く返す新海に気後れする。
「なんとも思わないの?」
思わず主語なく訊いたアタシの言葉を、新海が『ん?』と訊き返す。
「あんなにそっくりな子が同じクラスにいて、動揺とかしないのかなって思って……」
『正直、初めて見た時は動揺したけど。所詮、他人の空似で、吉住は元彼女じゃない』
「吉住って転校生の名前、もう覚えたんだ?」
『ホームルームの後、担任が大声で名前呼んで、職員室来るようにって言ってたから』
からかって言ってみただけなのに、やけに真面目に返されて、アタシの胸はまた思い出した様にざわついた。
『柚、そいつ見た?』
「今日たまたま職員室で見かけて、ちょっとびっくりした……」
『お前もやっぱそう思った? 世の中には似てる奴が3人いるっていうけど、間違いなくその内の一人だろうな』
遠慮がちに切り出した話をやけにテンション高く返す新海に気後れする。
「なんとも思わないの?」
思わず主語なく訊いたアタシの言葉を、新海が『ん?』と訊き返す。
「あんなにそっくりな子が同じクラスにいて、動揺とかしないのかなって思って……」
『正直、初めて見た時は動揺したけど。所詮、他人の空似で、吉住は元彼女じゃない』
「吉住って転校生の名前、もう覚えたんだ?」
『ホームルームの後、担任が大声で名前呼んで、職員室来るようにって言ってたから』
からかって言ってみただけなのに、やけに真面目に返されて、アタシの胸はまた思い出した様にざわついた。