37℃のグラビティ
受験勉強漬けの退屈な夏休みに、走らせていたペンを置いて、大きく伸びをした。
机の上に置いてあった冷たいレモンティーを一口飲み、卓上カレンダーを見つめる。
新海が夏休み中に、イギリスにいるお兄さんのところへ大学見学を兼ねて半月ほど滞在する事は、以前電話で聞いていた。
「今日帰ってくるんだ……」
カレンダーの日付につけた印を見て、そんな独り言をもらす。
帰って来たら、大学見学の話を聞かせてくれると言っていたのを思い出し、アタシはそんな思い付きから、初めて自分から新海を誘ってみる事にした。
スマホを手に取って、新海へとコールする。
時差ボケで眠っているのかと思っていた矢先、新海が電話に出た。
『もしもし?』
「アタシだけど、起きてた?」
『うん』
どこかいつもと違う様子の新海を気にかけつつも、それには触れずに話を進める。
「突然だけど、明日とか暇? 大学見学の話聞きたくて」
『あぁ、うん。いいよ』
「じゃあ、明日夕方にでも、新海のマンション行くね」
言ってアタシは、終話表示をタップした。
机の上に置いてあった冷たいレモンティーを一口飲み、卓上カレンダーを見つめる。
新海が夏休み中に、イギリスにいるお兄さんのところへ大学見学を兼ねて半月ほど滞在する事は、以前電話で聞いていた。
「今日帰ってくるんだ……」
カレンダーの日付につけた印を見て、そんな独り言をもらす。
帰って来たら、大学見学の話を聞かせてくれると言っていたのを思い出し、アタシはそんな思い付きから、初めて自分から新海を誘ってみる事にした。
スマホを手に取って、新海へとコールする。
時差ボケで眠っているのかと思っていた矢先、新海が電話に出た。
『もしもし?』
「アタシだけど、起きてた?」
『うん』
どこかいつもと違う様子の新海を気にかけつつも、それには触れずに話を進める。
「突然だけど、明日とか暇? 大学見学の話聞きたくて」
『あぁ、うん。いいよ』
「じゃあ、明日夕方にでも、新海のマンション行くね」
言ってアタシは、終話表示をタップした。