37℃のグラビティ
昨日の電話で約束した通り、アタシは夕方新海のマンションを訪れた。
高1の時も、高2の時も、クリスマス・イヴは、何故かいつも新海のマンションで過ごしていて、今日が3度目。
15階で降りたエレベーター。
インターホンを押して、開いたドアに、軽く片手をあげ、先に挨拶したのはアタシ。
「よぉ」
新海は心なしかどこか冴えない様子で、薄く笑ってみせた。
「体調でも悪い?」
リビングに向かいながら、アタシの前を歩く、新海の背中に問い掛ける。
「どこも別に悪くねぇよ? なんで?」
「なんとなく元気ないから」
新海はそんなアタシの言葉はスルーで、テーブルの上に置いてあった綺麗にラッピングされた長方形の箱をアタシに手渡す。
「イギリス土産」
「えっ? そんなのわざわざ、買ってこなくてよかったのに」
「別にそんな大したもんじゃねぇし」
「ありがと」
箱の中身は気になったけど、それはそのままにして、アタシは新海から大学見学の話を聞いていた。
高1の時も、高2の時も、クリスマス・イヴは、何故かいつも新海のマンションで過ごしていて、今日が3度目。
15階で降りたエレベーター。
インターホンを押して、開いたドアに、軽く片手をあげ、先に挨拶したのはアタシ。
「よぉ」
新海は心なしかどこか冴えない様子で、薄く笑ってみせた。
「体調でも悪い?」
リビングに向かいながら、アタシの前を歩く、新海の背中に問い掛ける。
「どこも別に悪くねぇよ? なんで?」
「なんとなく元気ないから」
新海はそんなアタシの言葉はスルーで、テーブルの上に置いてあった綺麗にラッピングされた長方形の箱をアタシに手渡す。
「イギリス土産」
「えっ? そんなのわざわざ、買ってこなくてよかったのに」
「別にそんな大したもんじゃねぇし」
「ありがと」
箱の中身は気になったけど、それはそのままにして、アタシは新海から大学見学の話を聞いていた。