37℃のグラビティ
『俺、別に嘘はついてないから』
「なんの話?」
『柚の名前出したこと。実際、柚いい女だし?』
新海に冗談でも「いい女」なんて言われて、電話なのをいい事に、ひとり焦って赤面する。
「今更そんなゴマすったって、なんにも出ないんだから」
『男の中じゃ、柚もなかなか人気あるって知ってた?』
「知らないよ。そんなの」
『その愛想のないとこが、たまにキズ?』
「うるさい。ホントに余計なお世話っ!」
アタシの突っ込みに、新海が声をあげて笑った。
電話越しのアタシの耳までもが、赤くなってる事も知らないで……
それでも、アタシはちゃんと知ってる。
新海に選ばれるのは、アタシじゃないってこと――
「なんの話?」
『柚の名前出したこと。実際、柚いい女だし?』
新海に冗談でも「いい女」なんて言われて、電話なのをいい事に、ひとり焦って赤面する。
「今更そんなゴマすったって、なんにも出ないんだから」
『男の中じゃ、柚もなかなか人気あるって知ってた?』
「知らないよ。そんなの」
『その愛想のないとこが、たまにキズ?』
「うるさい。ホントに余計なお世話っ!」
アタシの突っ込みに、新海が声をあげて笑った。
電話越しのアタシの耳までもが、赤くなってる事も知らないで……
それでも、アタシはちゃんと知ってる。
新海に選ばれるのは、アタシじゃないってこと――