37℃のグラビティ
「最近、どお?」


唐突なアタシの問い掛けに、新海が小首を傾げる。


「吉住さんのこと……あれからどうしたかなー? と思って」


言った途端、新海の顔が一瞬にして曇った。


「話してない。つーか……もう話す事もないと思う」


それ以上、今は何も言いたくないという様子の新海に、


「そっか」


と短い相槌を打って付け足す。


「今は何があったのかは聞かないけど、新海が話したくなったらいつでも言って」


新海は曖昧に笑って頷いた。


「じゃあ、行くね。ちゃんと勉強しろよ?」


おどけたアタシに、


「お前もな」


新海も笑って、片手をあげた。
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