37℃のグラビティ
クリスマス・イヴ当日。
レストランの予約時間より一時間前に、新海からLINE電話があった。
「もしもし?」
『柚、急で悪いんだけど、今日行けなくなった』
突然のキャンセルに、胸は小さく痛んだけれど……
「わかった。親には体調不良とか、適当に言っておくから、気にしないで」
『ホントごめん!』
「らしくもなく、謝んないでよ。調子狂うじゃん」
『柚の親父さんやおふくろさんにも、あとで俺から謝るし、柚にもちゃんと理由話すから……』
「うん。わかった」
『ホント、急にごめん!』
新海は最後にまた謝って、その電話を切った。
これでいいんだよ……
アタシの中のもうひとりのアタシが囁く。
アタシは薄く笑って頷くと、出掛ける準備を整えて階段を駆け降りた。
レストランの予約時間より一時間前に、新海からLINE電話があった。
「もしもし?」
『柚、急で悪いんだけど、今日行けなくなった』
突然のキャンセルに、胸は小さく痛んだけれど……
「わかった。親には体調不良とか、適当に言っておくから、気にしないで」
『ホントごめん!』
「らしくもなく、謝んないでよ。調子狂うじゃん」
『柚の親父さんやおふくろさんにも、あとで俺から謝るし、柚にもちゃんと理由話すから……』
「うん。わかった」
『ホント、急にごめん!』
新海は最後にまた謝って、その電話を切った。
これでいいんだよ……
アタシの中のもうひとりのアタシが囁く。
アタシは薄く笑って頷くと、出掛ける準備を整えて階段を駆け降りた。