37℃のグラビティ
彼女の彼
クリスマス・イヴの翌日の午後、新海からのLINE電話があった。
『柚、昨日はごめん』
「そんなに謝らないでよ。理由説明で架けてきたんでしょ?」
『昨日は陽織と一緒にいた』
「ようやく、自分の気持ちに気付いた?」
冷やかすでもなく、呆れるでもないアタシの声のトーンに、新海も気が緩んだ様な穏やかな声音で訊く。
『柚はいつから気付いてた?』
「新海が初めて吉住さんの話をした時?」
『なんでその時、そういう事言わねぇんだよ?』
「その時言ったって、新海はどうせ否定しただろうし、そういうのって人に教えてもらうものじゃないでしょ?」
新海から聞かされた話に、胸がまったく痛まないと言えば嘘になるけれど、以前の様な動揺は不思議となかった。
『柚、昨日はごめん』
「そんなに謝らないでよ。理由説明で架けてきたんでしょ?」
『昨日は陽織と一緒にいた』
「ようやく、自分の気持ちに気付いた?」
冷やかすでもなく、呆れるでもないアタシの声のトーンに、新海も気が緩んだ様な穏やかな声音で訊く。
『柚はいつから気付いてた?』
「新海が初めて吉住さんの話をした時?」
『なんでその時、そういう事言わねぇんだよ?』
「その時言ったって、新海はどうせ否定しただろうし、そういうのって人に教えてもらうものじゃないでしょ?」
新海から聞かされた話に、胸がまったく痛まないと言えば嘘になるけれど、以前の様な動揺は不思議となかった。