37℃のグラビティ
「彼氏とかいんの?」


「ほぇ!?」


新海に突拍子もない質問をされ、アタシのよく回らない口から、なんとも間抜けな言葉が飛び出す。


それがツボにはまったらしい新海は、アタシの恨めしい視線もおかまいなしに、声を殺しながら肩を揺らして笑った。


新海もこんな風に笑う事……あるんだ?


なんて、感心してる場合じゃないっつーの!


「笑い過ぎ」


「だって『ほぇ!?』だぞ?」


赤面ものの失態を真似しつつ、新海は一頻(ひとしき)り笑った後、


「で? いるの?」


既に忘れたと思われた質問を繰り返した。
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