37℃のグラビティ
「鍵、返して?」


あ、そっか……鍵……また会う様な事があったら、その時に返すって約束してたんだっけ……


アタシは状況が思考に追いつかないまま、慌てて縁から立ち上がり、梯子を降りると新海の前に立った。


ポケットに入れていた鍵を探すアタシに、


「その前に、これ」


新海が突然、プレゼント包装された細長い小箱を差し出す。


「誕生日プレゼント」


「貰っても……いいの?」


「俺がつけてやるよ」


そう言って新海は、星を模ったネックレスをアタシの首に付けてくれた。


「ありがとう」


アタシはとても嬉しくて、ネックレスと新海の顔を交互に見てはしゃぎながら、ふと思い出す。


そうだ鍵、返さなきゃ……


アタシはポケットの中、見つけた鍵を新海に差し出した。
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