37℃のグラビティ
「なんで?」


別にもったいぶったわけじゃない。下手に色々話してネタにされたりするのが嫌だから、質問返しで応戦した。


「別に」


「そういう、新海くんはいるの?」


「いるよ? いっぱい」


いけしゃあしゃあと「アーヤスマイル」で言ってのけた新海に、


「……………………」


アタシは呆れて、言葉をなくす。


「人に言わせといて、自分だけ言わないつもり?」


口調は冗談ながら、目は笑っていない新海って……結構、コワイ。


「いる……けど……」


アタシは半分脅された気分で、遠慮がちに答えた。
< 26 / 251 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop