３７℃のグラビティ

学校に着いたら、いつまでも感傷に浸ってはいられない。


アタシは一気に現実へと引き戻されて、入った教室に新海の姿がない事にほっとした。


遅刻常習犯の新海が、朝から学校にいるなんて、まずあり得ない話なんだけど……


どうせなら、このまま休んでくれたらいいのに……なんて、思ったりして。


昨日の今日より、一日でも経てば、ほとぼりも冷めるかもと、安易な考え。


アタシの席は窓際の一番後ろ。


机に鞄をかけて座ると同時に女子達が騒ぐ。


「アーヤ今日早い」の黄色い声に、思わず出入り口を見ると、新海が教室に入って来たところで。


な、な、なんで、今日に限って、来るのがこんなに早いわけ！？！？


心で思いっきり突っ込みを入れたアタシは、新海と目が合った。


やばっ……絶対、何か言われる！！