37℃のグラビティ
アタシの心の中、新海に対する疑似友情? みたいなものが生まれていた。
新海が一緒に来てくれなかったら、きっとアタシは今、ここに居ないから……
「新海くん」
呼び掛けたアタシに、新海は足も止めず、無表情で振り返る。
「一緒に来てくれて、ありがとう」
新海は一瞬、ちょっと驚いた顔をして、口端を上げると、
「ファミレス見っけ」
改まったアタシに何を言うわけでもなく、会話を逸らした。
ウエイトレスに案内された窓際の席に、向かい合って座る。
さっそく手にしたメニューを開いた新海を見て、ふと思い出す。
バスのチケットを手配してくれたのは新海なのに、その代金を払い忘れていた。
「バスのチケット代、いくらだった?」
バッグから財布を取り出して、新海に訊く。
「いくらだったか、忘れた」
「アタシが二人分、ちゃんと払うから、思い出してよ」
「お前、誕生日いつ?」
「7月7日だけど?」
「なんだ。もう1ヶ月もないじゃん。チケットは誕生日前祝いって事で」
「そんなのダメだよ」
「12月24日」
「え?」
「俺の誕生日。なんなら、体で返してくれてもいいけど?」
必殺「アーヤスマイル」で、新海は会話を終了させた。
どうやっても、お金を受け取りそうにない新海に、どうしたものかと考える。
ここのファミレス代を払ったところで、きっと多分追いつかない。
例え二人分のチケット代を払ったとしても、それは同じ。
お金に変えられないほどの感謝をしてるアタシがそこにいた。
新海が一緒に来てくれなかったら、きっとアタシは今、ここに居ないから……
「新海くん」
呼び掛けたアタシに、新海は足も止めず、無表情で振り返る。
「一緒に来てくれて、ありがとう」
新海は一瞬、ちょっと驚いた顔をして、口端を上げると、
「ファミレス見っけ」
改まったアタシに何を言うわけでもなく、会話を逸らした。
ウエイトレスに案内された窓際の席に、向かい合って座る。
さっそく手にしたメニューを開いた新海を見て、ふと思い出す。
バスのチケットを手配してくれたのは新海なのに、その代金を払い忘れていた。
「バスのチケット代、いくらだった?」
バッグから財布を取り出して、新海に訊く。
「いくらだったか、忘れた」
「アタシが二人分、ちゃんと払うから、思い出してよ」
「お前、誕生日いつ?」
「7月7日だけど?」
「なんだ。もう1ヶ月もないじゃん。チケットは誕生日前祝いって事で」
「そんなのダメだよ」
「12月24日」
「え?」
「俺の誕生日。なんなら、体で返してくれてもいいけど?」
必殺「アーヤスマイル」で、新海は会話を終了させた。
どうやっても、お金を受け取りそうにない新海に、どうしたものかと考える。
ここのファミレス代を払ったところで、きっと多分追いつかない。
例え二人分のチケット代を払ったとしても、それは同じ。
お金に変えられないほどの感謝をしてるアタシがそこにいた。