37℃のグラビティ
寛樹と同じクラスだった1年間は、特別な意識とかなかったんだけど……


2年生になって、寛樹とクラスが離れてから、アタシは自分の気持ちに初めて気がついた。


それはどうやら、寛樹も同じだったらしく……


寛樹が誘ってくれた夏祭りに、二人で出掛けた事がきっかけになって、それから二ヶ月後の学園祭の日。


アタシは寛樹に告白されて、アタシ達は付き合い始めた。


振り返ってみれば、恋人同士だった期間より、友達だった期間の方が全然長い。


そんな友達だった頃の思い出さえ、今となってはとても愛しく、アタシの心に降り積もっていた。


こんな風に、楽しかった昔を振り返ってばかりいるのは、アタシだけなのかな……?


ホントはね、アタシまだ実感がないんだ……


みんなみんな夢なんじゃないのかって、まだどこかで思ってたりしてる。


この街にこうしているのも、実は夢で。


本当のアタシは、今ベッドの上で、眠っているんじゃないか……って。


だけど、次の瞬間、一気に現実が引き裂いた。
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