37℃のグラビティ
そんなアタシを一瞥した新海に、


「嘘」


してやったりで、また笑った。


「何? お前、欲求不満?」


見下す様な視線を向け、新海が悪戯に笑う。


「なんなら、ボランティア精神に(のっと)って、相手してやってもいーけど?」


はいぃ!? 今、なんて!?


てか、そんなボランティア精神に則るなーーッ!!


「結・構です!」


「お前、ボランティアをバカにしずぎ『愛は地球を救う』ってね」


あ、なるほど!! ……って!! 誰が納得するかーーッ!!


心の中で喚くだけで、黙り込んだアタシに、新海は得意気にどや顔で笑うと、マンションのオートロックを解除した。
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