37℃のグラビティ
次の瞬間。


アタシは玄関へ向かうと、サンダルをひっかけて飛び出した。


階段を駆け上がって、辿り着いた屋上の扉の前。


躊躇する事も忘れ、勢いよくドアノブを回す。


開いたドアに、アタシが一歩踏み出したところで……


――パァーーン。


クラッカーの音とともに、頭上から紙吹雪が降って来た。


振り返って見上げれば……


足を投げ出して、縁に腰掛ける新海がいて。


「ハピバ」


おちょくるような物言いで「アーヤスマイル」を向けた。


「こっち、上ってくれば?」


そんな新海の声と言葉は、まるで何かの魔法みたいに……


アタシの心と体を引き寄せる。


アタシは言われるがまま、扉の横の梯子を上り……


新海と同じ体勢で、少し離れた縁に腰掛けた。
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