37℃のグラビティ
以前とは違う緊張がアタシを取り囲んで……


心地いいとは言えない沈黙に、思わず口を開いた。


「アタシの誕生日なんて、よく覚えてたね?」


「七夕なんて、覚えやすい誕生日じゃん。ところで、俺の誕生日覚えてる?」


「クリスマス・イヴでしょ?」


「季節のイベントと同じ誕生日って、結構覚えるもんじゃね?」


「そうかも」


「お前の『陽織』って名前。もしかして、織姫から取ったとか?」


何気なく下の名前を呼ばれた事に驚いて……


名前の由来まであっさりと当てられて……


アタシはポカンとしてしまった。


「アホ面」


思いっきり呆れて、鼻で笑った新海に、突っ込みを入れる事さえ忘れるほど……
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