37℃のグラビティ
ノーリアクションのアタシを置き去りにして、新海が話し出した。
「どこんちの親も、似た様なもんだな。俺の名前の由来も、お前とさほど変わんない」
彩る人と書いて彩人。
新海の名前の由来をアタシなりに考えてみた。
「クリスマス・イヴは、街も人もみんな彩られるから?」
「その通り。おかげで『アーヤ』とか、変な呼び名までつけられて、いい迷惑」
「『彩人』っていい名前だし。『アーヤ』も、新海くんに似合ってる」
新海は冷めた目で一瞥すると、ポケットから取り出したスマホを触り出した。
その横顔に思わず見惚れて、アタシは大きく視線を逸らす。
都会のネオンが、夏の風に漂いながら。
ユラユラ……
瞳の中で、微かに揺れた。
「どこんちの親も、似た様なもんだな。俺の名前の由来も、お前とさほど変わんない」
彩る人と書いて彩人。
新海の名前の由来をアタシなりに考えてみた。
「クリスマス・イヴは、街も人もみんな彩られるから?」
「その通り。おかげで『アーヤ』とか、変な呼び名までつけられて、いい迷惑」
「『彩人』っていい名前だし。『アーヤ』も、新海くんに似合ってる」
新海は冷めた目で一瞥すると、ポケットから取り出したスマホを触り出した。
その横顔に思わず見惚れて、アタシは大きく視線を逸らす。
都会のネオンが、夏の風に漂いながら。
ユラユラ……
瞳の中で、微かに揺れた。