この剣は守る為に
どうにかなってしまいそうなほど魅力的なミーアの寝顔に何とか理性を保ちながら、タッカーは彼女をベッドに寝かせる。

「…すぅー」

穏やかに、規則的に。

寝息を立てて眠り続けるミーア。

…自分がそばにいるから、こんなに安心して眠っていられるのだろうか。

勘違いかもしれないが、そう思うと何だか嬉しいような、誇らしいような気分になった。

だったら。

自分がいつでも彼女のそばにいれば、ミーアはいつでも安心して眠れるかもしれない。

こんな戦乱の世の中だけど、自分がミーアを守れば、彼女は幸せに微笑んでいられるかもしれない。

そんな事を思いつつ、タッカーは苦笑いした。

自分の身の程は弁えているつもりだ。

しがない鍛冶師の自分が、女神国でも誰もが振り向くほどの器量よしのミーアに釣り合う筈もない。

…彼女の騎士(ナイト)を務められるのも、今夜だけ。

夢を見られるのも今夜だけ…。

切ないような、悲しい気分になる。

それでも。

「貴女は僕が守ります…僕が貴女の騎士(ナイト)を務めます、ミーア姫…」

独り言のように。

タッカーは眠るミーアに呟いた。

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