この剣は守る為に
その夜。

「聞いてくれ、ミーア」

夕食の席で、嬉しそうにタッカーが言う。

「王宮御用達の甲冑を、僕が任されたんだ。女神国制式の鎧を僕が作る。つまり女神国を僕が守るんだ」

にこやかに、そして熱心に、タッカーは語る。

「……」

手を止めて、ミーアは俯き加減に話を聞いていたが。

「ねぇタッカー」

意を決したように、彼女は口を開いた。

「このお店…たたむ訳にはいかないかな…?」

「……え…?」

突然のミーアの言葉に、彼は言葉を失った。

「何で…そんな事を言うんだい?ミーア」

「だって…」

ポロリと。

ミーアの大きな瞳から涙がこぼれた。

「これ以上タッカーが…戦争の…人殺しの道具を作る姿を見ていたくないの…」


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