この剣は守る為に
目が合う。

それは、肩口までの美しい髪を風にそよがせる、可愛らしい娘だった。

タッカーよりも十は若いだろうか。

スラリと素直に伸びた手足、曇りのない輝く瞳。

タッカーを見惚れさせるには十分な器量よしであった。

「あ」

娘は彼と目が合い、口元を片手で押さえる。

「ごめんなさい、笑ったりして…」

「いや…構わないよ」

照れ臭そうにタッカーが頭を掻く。

しばしの沈黙。

と。

「この国に、移り住んできた方ですか?」

娘は小首を傾げながらタッカーに問いかけた。

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