花姫コネクト
「そろそろ夕方になるね。あと、もうひとつくらい乗れるかな?」
スマホを手にした乙谷さんが、パーク内の地図を広げる。
「じゃあ、最後にアレ乗らない?」
ふふっと笑みを浮かべる河合さん。
そのまま姫先輩と乙谷さんの腕を引っ張り、目の前にある観覧車へと向かう。
しまった、出遅れた。
「ちょっと待って……」
追いかけようとする足が止まる。後ろから手を掴まれて、それ以上動けなかった。
「……えっと、どうした、の?」
茶色の髪がさらりと揺れて、高嶺くんがこちらを見つめている。
「僕と一緒に、乗ってくれないかな?」
ぱりん、と心の音が鳴った。ガラス玉が割れてしまったような、儚げな音。
目の前にいる高嶺くんは、いつもの友達としての顔じゃなかった。
観覧車に揺られながら、お互いに黙って景色を眺める。断れなかった。嫌じゃないし、むしろ高嶺くんのことは好き。
だけど、それは友達としてで、こういうのはなんか違う気がする。
「大路さんは優しいね」
「えっ、やめてよ。そんなことない。全然、ダメ人間で……」
「だって、困ってるのに、こうして付き合ってくれてるでしょ?」
「それは……」
バレている。高嶺くんには、隠しても全てお見通し。
落ちてくる髪を耳にかけて、小さく息を吐いた。逃げ場のない空間が、より緊張をあおる。
「ごめんね。大路さんの気持ち知りながら、今から無神経なこと言うと思う」
チュニックを握る手が汗ばんできた。よりグッと力が入る。
スマホを手にした乙谷さんが、パーク内の地図を広げる。
「じゃあ、最後にアレ乗らない?」
ふふっと笑みを浮かべる河合さん。
そのまま姫先輩と乙谷さんの腕を引っ張り、目の前にある観覧車へと向かう。
しまった、出遅れた。
「ちょっと待って……」
追いかけようとする足が止まる。後ろから手を掴まれて、それ以上動けなかった。
「……えっと、どうした、の?」
茶色の髪がさらりと揺れて、高嶺くんがこちらを見つめている。
「僕と一緒に、乗ってくれないかな?」
ぱりん、と心の音が鳴った。ガラス玉が割れてしまったような、儚げな音。
目の前にいる高嶺くんは、いつもの友達としての顔じゃなかった。
観覧車に揺られながら、お互いに黙って景色を眺める。断れなかった。嫌じゃないし、むしろ高嶺くんのことは好き。
だけど、それは友達としてで、こういうのはなんか違う気がする。
「大路さんは優しいね」
「えっ、やめてよ。そんなことない。全然、ダメ人間で……」
「だって、困ってるのに、こうして付き合ってくれてるでしょ?」
「それは……」
バレている。高嶺くんには、隠しても全てお見通し。
落ちてくる髪を耳にかけて、小さく息を吐いた。逃げ場のない空間が、より緊張をあおる。
「ごめんね。大路さんの気持ち知りながら、今から無神経なこと言うと思う」
チュニックを握る手が汗ばんできた。よりグッと力が入る。