花姫コネクト
まずは河合さんが文章を出して、乙谷さんが意味を答える。
「じゃあ、〝今夜は星が見えませんね〟」
「いきなり難問だね。うーん、〝あなたが私の光になって下さい〟とか?」
「それ、いいね! さすが乙ちゃん」
「えっ、メルちゃんの答えはないの?」
「まだ考えてないのー」
ルールがあってないようなものだと、私たちは顔を見合わせて吹き出した。
なんだか河合さんらしいと言うか。なんでもアリなんだと思ったら、肩の力が抜けて軽くなった気がする。
じゃあ次行くねと、乙谷さんが合図してすぐ。
「〝雨、止みませんね〟」
ふと思い出すのは、雨あがりの公園。肩に触れていた髪と涙。
「……もっと一緒にいたいです」
ハッとして隣を向くと、乙谷さんがふわんとした顔でうなずいていた。
急に恥ずかしくなって、枕に顔を伏せる。姫先輩のことを想像して答えていた。穴があったら入りたいと、頭まで布団をかぶる。
「華ちゃん、照れすぎだよ。可愛いね」
布越しに撫でられて、むくっと顔だけを出す。
赤くなっている場合じゃなかった。次は私が問題の人。
何も浮かばなくて、どうしようかと頭の引き出しを探していると、バーカと笑う姫先輩が見えた。
いつも適当だし、からかって来るのに楽しくて。傍にいたくて、この毎日がずっと続けばいいと思った。
でも、時間は止まってくれない。
「春なんて……来なければいいのに」
一瞬、静まった部屋。変なことを口走ったと、間違えましたと言おうとしたとき。
「全然分かんない。メルの負け。ねえ、王子ちゃんの持ってる答え、なあに?」
河合さんが、降参の旗をあげた。乙谷さんも、気になるねとこちらへ顔を向ける。
「じゃあ、〝今夜は星が見えませんね〟」
「いきなり難問だね。うーん、〝あなたが私の光になって下さい〟とか?」
「それ、いいね! さすが乙ちゃん」
「えっ、メルちゃんの答えはないの?」
「まだ考えてないのー」
ルールがあってないようなものだと、私たちは顔を見合わせて吹き出した。
なんだか河合さんらしいと言うか。なんでもアリなんだと思ったら、肩の力が抜けて軽くなった気がする。
じゃあ次行くねと、乙谷さんが合図してすぐ。
「〝雨、止みませんね〟」
ふと思い出すのは、雨あがりの公園。肩に触れていた髪と涙。
「……もっと一緒にいたいです」
ハッとして隣を向くと、乙谷さんがふわんとした顔でうなずいていた。
急に恥ずかしくなって、枕に顔を伏せる。姫先輩のことを想像して答えていた。穴があったら入りたいと、頭まで布団をかぶる。
「華ちゃん、照れすぎだよ。可愛いね」
布越しに撫でられて、むくっと顔だけを出す。
赤くなっている場合じゃなかった。次は私が問題の人。
何も浮かばなくて、どうしようかと頭の引き出しを探していると、バーカと笑う姫先輩が見えた。
いつも適当だし、からかって来るのに楽しくて。傍にいたくて、この毎日がずっと続けばいいと思った。
でも、時間は止まってくれない。
「春なんて……来なければいいのに」
一瞬、静まった部屋。変なことを口走ったと、間違えましたと言おうとしたとき。
「全然分かんない。メルの負け。ねえ、王子ちゃんの持ってる答え、なあに?」
河合さんが、降参の旗をあげた。乙谷さんも、気になるねとこちらへ顔を向ける。