花姫コネクト
 みんなが帰った部室。ガチャリと鍵を掛けて、深呼吸をする。

 昨日の夜。ベッドで横になりながら、手っ取り早く花を咲かせる方法を考えていた。

 きっと恋をするために必要なことは、胸がキュンだけではダメなのだ。

 だからーー。


 くるりと振り向いて、机にもたれている姫先輩をじっと見つめる。

 なんだ? と言いたげな顔に近付いて、見出した答えを告げた。


「とりあえず、抱きしめてもらおうかな」

「……お前、本物のバカなの?」


 予想通りの呆れた反応だった。

「だって、ささやきもダメだったから。ギュッてしてもらったら、化学反応が起きて咲くかもしれないじゃないですか!」

「……えー、無理」

「なんでですか」
「なんででもだ」


 でろんと机に伏せる姫先輩の横で、背中をぐわんぐわんと揺すり続ける。

 起きる気配のない無気力な体に膨れっ面をかまして、私もころんと身を倒した。
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