花姫コネクト
「ううん。勉強が捗らなくて、ただ脱力してただけ」
言ったすぐ恥ずかしさが込み上げる。頭が悪くて理解力がないから、ダラけていますと宣言したようなもの。
なんだか胸が苦しくて……。分からないところがあって悩んでて……、など。
もう少し可愛らしい反応はなかったのか、と五秒前の自分へ問いたい。
「じゃあ、一緒にやらない?」
「……え?」
「中間テストの勉強でしょ? ちょうど今日から部活休みになるから。放課後にでも」
「えっ、えっと……」
思いがけず反応出来ないでいると、「もしかして、他に予定あった?」と向けられた唇が動く。
今週は姫先輩の都合で花咲きレッスンも勉強会も出来ないから、早く家へ帰って一人で復習するつもりだった。
「時間あったらと思って誘っただけだから、無理なら……」
「高嶺先生、ぜひよろしくお願いします!」
「え、あ、……はい。よろしくね」
学年の秀才である高嶺くんに教えてもらえるなんて、絶好のチャンスでしかない。
これを機に頭脳をレベルアップさせて、馬鹿にしていた姫先輩から参りましたと言わせてみせるんだから。