花姫コネクト
「まず、わり算を逆数のかけ算に直してみて。16a/3の逆数は分かる?」
「えっと……、3a/(16)?」
「aも逆数にしないといけないから、3/(a16)だよね」
「あ、そっか」
「じゃあ、かけ算だけになったから、符号に気をつけて計算して……」
高嶺くんの教え方は丁寧で、分からないことをさらに砕けて説明してくれるから頭に入りやすい。
一度理解出来ると手がすらすら動いて、少しばかり出来る子になった気を味合わせてくれる。
「少し休憩しようか」
キャラメルミルクを飲みながら、ふと薄い紫色の花が目に入った。
絹のような茶色い髪から顔を覗かせる花びらは、触れてみたくなるほど綺麗な色をしている。
どんな瞬間に、高嶺くんは恋に堕ちたのか。聞いてみたい気持ちを飲み込んで、別の浮遊する何かを探す。
「高嶺くんに教えてもらえて、私は幸せ者だよ。ほんとにありがとね」
「大路さんの飲み込みが早いからだよ。分かりやすく出来てたか、少し不安だけど」
「すごく分かりやすいよ。もう、姫先輩なんかよりうーんと説明上手」
褒めたつもりだったのに、一瞬高嶺くんの表情が曇った気がした。
悪口を言う奴なんだと軽蔑されたかな。
「ああ……っ、もちろん姫先輩も上手いんだけど、高嶺くんはそれ以上って意味で」
「……姫川先輩に、勉強教えてもらってるんだね」
「えっと……、少しだけ」
大切なものを取られた子どものような顔をして、そうなんだと息をこぼす。
さっきの間といい、高嶺くんの様子がおかしい。やっぱり、なにか気に触ることを言ってしまったかな。
「えっと……、3a/(16)?」
「aも逆数にしないといけないから、3/(a16)だよね」
「あ、そっか」
「じゃあ、かけ算だけになったから、符号に気をつけて計算して……」
高嶺くんの教え方は丁寧で、分からないことをさらに砕けて説明してくれるから頭に入りやすい。
一度理解出来ると手がすらすら動いて、少しばかり出来る子になった気を味合わせてくれる。
「少し休憩しようか」
キャラメルミルクを飲みながら、ふと薄い紫色の花が目に入った。
絹のような茶色い髪から顔を覗かせる花びらは、触れてみたくなるほど綺麗な色をしている。
どんな瞬間に、高嶺くんは恋に堕ちたのか。聞いてみたい気持ちを飲み込んで、別の浮遊する何かを探す。
「高嶺くんに教えてもらえて、私は幸せ者だよ。ほんとにありがとね」
「大路さんの飲み込みが早いからだよ。分かりやすく出来てたか、少し不安だけど」
「すごく分かりやすいよ。もう、姫先輩なんかよりうーんと説明上手」
褒めたつもりだったのに、一瞬高嶺くんの表情が曇った気がした。
悪口を言う奴なんだと軽蔑されたかな。
「ああ……っ、もちろん姫先輩も上手いんだけど、高嶺くんはそれ以上って意味で」
「……姫川先輩に、勉強教えてもらってるんだね」
「えっと……、少しだけ」
大切なものを取られた子どものような顔をして、そうなんだと息をこぼす。
さっきの間といい、高嶺くんの様子がおかしい。やっぱり、なにか気に触ることを言ってしまったかな。