花姫コネクト
「比較的女子ウケ良いし、たぶん王子も好きなヤツ」
パラパラとページを巡ってみると、たしかに惹かれる内容だった。
ミアンという神様の女の子が現れて、マコトという男の子と旅をしながら自分を見つめ直していく。
二人の掛け合いはユーモアが溢れていて、気付くと頬が上がっていた。
この男の子、意地っ張りで口が悪くて、いつもやる気がない。わがままなミアンに振り回されてばかり。
なんだか既視感がある。誰かに似ているような……。
クスクスしていたら、隣に立つ姫先輩が漫画を覗き込んで。
「そいつ情けなくて面白いだろ」なんて言うものだから、余計に笑いが抑えられなくなった。
「この子って、せんぱ……」
「その神様、王子にそっくり」
言いかけた言葉が喉の奥へ引っ込んだ。
ミアンと私なんて、全く頭に過らなかったからハテナを頭に浮かべていると。
ははっと楽しそうな笑い声を上げながら、
「自分のことばっかで、周り見えてねーの。信頼されるようになりたいって突っ走って、そんなん他は求めてないのにさ。それで失敗して、バカすぎだろ」
マイナスな事しか言われていないことに気付いて、唇がムムッと尖っていく。
それで似ていると口に出せてしまうのあたり、やっぱりこの人はデリカシーがない。
「だから、この神様にはこいつが必要なんだよ」
「……え?」
「マイナスとマイナスは足してプラスだろ。どっちもいないと意味がない。二人の掛け合いがねーと、この漫画の面白みが欠けるからな。最高のコンビじゃね?」
灼熱の太陽を浴びたように、なぜか顔が熱くなる。
いやいや、漫画の話だってば。それに、姫先輩が勝手にそっくりって言ってるだけだから。私はミアンじゃないし……。
恥ずかしくなって、持っていた漫画を元の位置へ手放した。
私が勝手に似てると思っただけだから。姫先輩はマコトじゃない。
『神様にはこいつが必要なんだよ』
決して、自分に向けられた言葉ではないと分かっていても、体は嘘を付けないらしい。
真冬のキャンプで温かいスープを飲んだ時みたいに、頬の緩みが止まらない。
パラパラとページを巡ってみると、たしかに惹かれる内容だった。
ミアンという神様の女の子が現れて、マコトという男の子と旅をしながら自分を見つめ直していく。
二人の掛け合いはユーモアが溢れていて、気付くと頬が上がっていた。
この男の子、意地っ張りで口が悪くて、いつもやる気がない。わがままなミアンに振り回されてばかり。
なんだか既視感がある。誰かに似ているような……。
クスクスしていたら、隣に立つ姫先輩が漫画を覗き込んで。
「そいつ情けなくて面白いだろ」なんて言うものだから、余計に笑いが抑えられなくなった。
「この子って、せんぱ……」
「その神様、王子にそっくり」
言いかけた言葉が喉の奥へ引っ込んだ。
ミアンと私なんて、全く頭に過らなかったからハテナを頭に浮かべていると。
ははっと楽しそうな笑い声を上げながら、
「自分のことばっかで、周り見えてねーの。信頼されるようになりたいって突っ走って、そんなん他は求めてないのにさ。それで失敗して、バカすぎだろ」
マイナスな事しか言われていないことに気付いて、唇がムムッと尖っていく。
それで似ていると口に出せてしまうのあたり、やっぱりこの人はデリカシーがない。
「だから、この神様にはこいつが必要なんだよ」
「……え?」
「マイナスとマイナスは足してプラスだろ。どっちもいないと意味がない。二人の掛け合いがねーと、この漫画の面白みが欠けるからな。最高のコンビじゃね?」
灼熱の太陽を浴びたように、なぜか顔が熱くなる。
いやいや、漫画の話だってば。それに、姫先輩が勝手にそっくりって言ってるだけだから。私はミアンじゃないし……。
恥ずかしくなって、持っていた漫画を元の位置へ手放した。
私が勝手に似てると思っただけだから。姫先輩はマコトじゃない。
『神様にはこいつが必要なんだよ』
決して、自分に向けられた言葉ではないと分かっていても、体は嘘を付けないらしい。
真冬のキャンプで温かいスープを飲んだ時みたいに、頬の緩みが止まらない。