花姫コネクト
新聞部の作業が終わると、他の部員が帰るのを待って部室に鍵を掛ける。
二人きりの空間を作って、本日も花を咲かせるためのレッスンを始めた。
「さて、今日は何をしてもらいましょうか」
机に置いた少女漫画を、目の前に座る先輩の前へ一冊ずつ丁寧に並べていく。
甘い胸キュンから少し際どそうなものまで全十冊。
その度に揺れる耳下の花は、いつも通り行儀よく閉じている。
長いため息をついた姫先輩が汚いものを触るように、親指と人差し指で紙の束をつまんだ。
「うわぁ……これ、なんかヤバそう。お前、年齢的に大丈夫?」
「言っておきますけど、健全とした少女漫画しか読んでないですから。変な持ち方しないでっ」
姫先輩の手からパッと漫画を奪うと、へいへいと気怠げな反応が返って来る。
そういう彼も、生やす花はツボミのままだ。
「もういい加減咲かせたいんですよ。クラスのほとんどが三分か五分咲きだし、すごいと七分咲きもいるんですよ」
彩葉ちゃんだって彼氏が出来た。私だけ取り残されていく。
二人きりの空間を作って、本日も花を咲かせるためのレッスンを始めた。
「さて、今日は何をしてもらいましょうか」
机に置いた少女漫画を、目の前に座る先輩の前へ一冊ずつ丁寧に並べていく。
甘い胸キュンから少し際どそうなものまで全十冊。
その度に揺れる耳下の花は、いつも通り行儀よく閉じている。
長いため息をついた姫先輩が汚いものを触るように、親指と人差し指で紙の束をつまんだ。
「うわぁ……これ、なんかヤバそう。お前、年齢的に大丈夫?」
「言っておきますけど、健全とした少女漫画しか読んでないですから。変な持ち方しないでっ」
姫先輩の手からパッと漫画を奪うと、へいへいと気怠げな反応が返って来る。
そういう彼も、生やす花はツボミのままだ。
「もういい加減咲かせたいんですよ。クラスのほとんどが三分か五分咲きだし、すごいと七分咲きもいるんですよ」
彩葉ちゃんだって彼氏が出来た。私だけ取り残されていく。