花姫コネクト
「落ち込んだ時とか、嫌なことがあったら見るようにしてる。頑張らないとなぁって、不思議と元気もらえるから」
「そ、そっか」
「僕にとって、お守りみたいなものかな」
宝箱へしまうように、付せんを生徒手帳へ入れる。
何気なく書いたものが、誰かの心を支えていたなんて考えもしなかった。
なんだかこっちまで温かい気持ちになる。
「大路さんって、お伽話好き?」
「えっ、うん、好き! なんで分かるの?」
「さあ、どうしてだろうね。なんとなく」
クスクスと笑いながら、ほんとうは何かを知っているような表情をする。
気になって、「なにー?」と聞き返すけど、教えてはくれない。こんな高嶺くんは、知り合ってから初めてだ。
ぷうっと頬を膨らませていると、そばにあった水色の付せんに、高嶺くんが何かを書き出した。
なんだろうと思っていると、さっと目の前に差し出される。
目に入ったのは、正方形の中に並ぶ整った文字。
つらい時は、立ち止まっていいよ。
君には僕たちがいるから。
一緒に、また一歩踏み出そう。
「らくがきだから捨てるなり、お守りにするなり、ご自由にどうぞ」
冗談っぽく言われたのに、笑って返せそうにない。
たまっていた気持ちが押し寄せて、ぷつんと緒が切れたみたいに目頭が熱くなる。
学校で泣かないって決めたから、ぐっとこらえて。
「ありがとう。一生、大事にするね」
姫先輩と幼馴染のこと、彩葉ちゃんたちのことも、全てが上手くいかなくて悩むことばかりだけど。
誰かが味方でいてくれるって、とても心強いことなんだと改めて知った。
「そ、そっか」
「僕にとって、お守りみたいなものかな」
宝箱へしまうように、付せんを生徒手帳へ入れる。
何気なく書いたものが、誰かの心を支えていたなんて考えもしなかった。
なんだかこっちまで温かい気持ちになる。
「大路さんって、お伽話好き?」
「えっ、うん、好き! なんで分かるの?」
「さあ、どうしてだろうね。なんとなく」
クスクスと笑いながら、ほんとうは何かを知っているような表情をする。
気になって、「なにー?」と聞き返すけど、教えてはくれない。こんな高嶺くんは、知り合ってから初めてだ。
ぷうっと頬を膨らませていると、そばにあった水色の付せんに、高嶺くんが何かを書き出した。
なんだろうと思っていると、さっと目の前に差し出される。
目に入ったのは、正方形の中に並ぶ整った文字。
つらい時は、立ち止まっていいよ。
君には僕たちがいるから。
一緒に、また一歩踏み出そう。
「らくがきだから捨てるなり、お守りにするなり、ご自由にどうぞ」
冗談っぽく言われたのに、笑って返せそうにない。
たまっていた気持ちが押し寄せて、ぷつんと緒が切れたみたいに目頭が熱くなる。
学校で泣かないって決めたから、ぐっとこらえて。
「ありがとう。一生、大事にするね」
姫先輩と幼馴染のこと、彩葉ちゃんたちのことも、全てが上手くいかなくて悩むことばかりだけど。
誰かが味方でいてくれるって、とても心強いことなんだと改めて知った。