身代わり政略結婚~次期頭取は激しい独占欲を滲ませる~
 私が頬を染めて黙っていたら、成さんが不安げに尋ねてきた。

「俺、先走った……? ごめん。プロポーズ受け入れてもらって、かなり舞い上がってるみたいだ」

 成さんでも舞い上がったりするんだ、と知った途端、笑いが零れる。

「ふふ。成さんも、普段はすごく冷静でカッコいいのに可愛い一面もあるんですね」

 刹那、肩を掴まれ、やや強引にソファの背もたれに押し付けられる。

 彼はズイッと私の顔に影を落とし、やおら唇に弧を描いた。

「いや。やっぱり可愛いのは梓だよ」

 端正な顔立ちの彼が私だけを見つめ、惜しみなく愛情を注いでくれる。

 私はそのままそっと瞼を閉じて、一秒先の幸せを想って彼の背中に手を伸ばした。






    おわり
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