稲荷くんのいたずら


稲荷さん(年上だからさん付けにすることにした)曰く、


稲荷さんは20歳になった稲荷くん。

稲荷さんは20歳までにあることが出来なかったせいで、
家系の伝統上、妖界というところへの生贄になってしまったらしい。


あることがすごい気になったけど、教えてくれなかった。


その妖界というところでの待遇はなかなかいいらしく、
妖術も教えてくれたり、なんてったって半妖怪みたいな感じで、不老不死ならしい。


いや、めっちゃいいじゃん。って話なんだけど


人間界にはもう二度と戻れないらしくって。

なのに1つだけ未練を残しているらしい。


幽霊みたいと言ったら、人間の魂と俺みたいな妖怪は全然違うって怒られた。



で、その未練を解消するために、今の中坊稲荷くんと仲良くして欲しいことを伝えにきたってのが私の夢に出てきた用件だってさ。



いや、ファンタジーすぎて頭追いつかんて。



「あのさ、そんなこと私に頼んでも意味なくない?」


「そんなことないよ。松山さんはクラスの人気者で女子カーストトップじゃん。」

「アホか、んなことないわ。」


カーストトップは別にいるっつーの。


そう思って稲荷さんを見返すと
稲荷さんは再度「そんなことないよ。」といった。


「少なくとも、これから松山さんは女子カーストトップになる…と思う。」

「え……」


稲荷さんは大前提に未来の人間である。

そんな人にこんなこと言われたら、私だってビビる。



「まあ、俺と関わって、未来が変わるってこともあるけどね。」


私はその一言にピンときた。




「…稲荷さん、私、稲荷くんと仲良くするわ。」

「ホント!?ありがとう!」


だって…



カーストトップ女子みたいな注目集めて反感買うような立場になりたくないもん!!
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