8度目の人生、嫌われていたはずの王太子殿下の溺愛ルートにはまりました~お飾り側妃なのでどうぞお構いなく~
その後も、ランドンは何度かフィオナに話を聞きに来たが、フィオナはもう面倒くさくなっていた。
「悪いけれど疲れました。しばらく話しかけないでくださる?」
「はっ」
ランドンの馬が離れると、フィオナは馬車の窓についていたカーテンを引き、椅子に座った。背もたれに上半身を預けると、ものすごく脱力する。
「はあ、緊張したぁ」
いかつい騎士団長相手に、はっきり話せた自分を褒めてやりたい。
そして落ち着いてくると、ふつふつと沸きあがってくるのは婚約者への怒りだ。
(それにしても、オスニエル様も、私を殺したいとまで思っているなら、結婚なんて承諾しなければよかったじゃない)
わざわざ、攻め込む理由をこちらに負わせようとするところも気に入らない。
(絶対にオスニエル様なんて好きにならないわ。どうせ結婚も形だけでしょう。政略結婚で結構。こっちはこっちで好きにさせてもらうわ)
硬く決意し、寝息を立てているドルフを抱きしめる。
怒りによって心細さは消えていた。何より、ドルフが伝説の聖獣だということが、フィオナの心を軽くする。
(ドルフがいてくれれば、きっと大丈夫。私はきっと生き延びてみせるわ)
大型の馬車は安定していて、その緩やかな揺れに身を任せているとすぐに眠気はやってきた。フィオナは、ゆっくり目を閉じた。
「悪いけれど疲れました。しばらく話しかけないでくださる?」
「はっ」
ランドンの馬が離れると、フィオナは馬車の窓についていたカーテンを引き、椅子に座った。背もたれに上半身を預けると、ものすごく脱力する。
「はあ、緊張したぁ」
いかつい騎士団長相手に、はっきり話せた自分を褒めてやりたい。
そして落ち着いてくると、ふつふつと沸きあがってくるのは婚約者への怒りだ。
(それにしても、オスニエル様も、私を殺したいとまで思っているなら、結婚なんて承諾しなければよかったじゃない)
わざわざ、攻め込む理由をこちらに負わせようとするところも気に入らない。
(絶対にオスニエル様なんて好きにならないわ。どうせ結婚も形だけでしょう。政略結婚で結構。こっちはこっちで好きにさせてもらうわ)
硬く決意し、寝息を立てているドルフを抱きしめる。
怒りによって心細さは消えていた。何より、ドルフが伝説の聖獣だということが、フィオナの心を軽くする。
(ドルフがいてくれれば、きっと大丈夫。私はきっと生き延びてみせるわ)
大型の馬車は安定していて、その緩やかな揺れに身を任せているとすぐに眠気はやってきた。フィオナは、ゆっくり目を閉じた。