幼馴染みは、溺愛執事!?
「おおよそ女子高生には見えない……」
一段目を食べ終わった頃に、そんな呟きが聞こえた。
「優雅。なにか言ったかしら?」
「いいえ、なにも」
「じゃあ、そんなこと言ってないで、手伝いなさいよ」
「心愛様とお食事、ですか……。旦那様に殺されそうですね……」
そうだ。小さな頃は一緒に食事をしていたが、大きくなり主人と執事の関係になってから、一緒に食べることはなかった。
「あなたが誘ってきたんでしょう?今日は例外よ。許すわ」
いつものわたくしなら、絶対にこんなこと言わない。
「そうですか。ではお言葉に甘えて、いただきます」
…………きっと朝のお礼をしたかったんだわ。
もうひとつの考えが浮かんできて、それを打ち消すように、無心に食べ続けた。