幼馴染みは、溺愛執事!?
程なくして準備が整い、わたくしは部屋を出、無駄に長い廊下を歩いている。

「心愛様!」

「おはようございます!」

適当に挨拶を返しながら歩いていると、

「心愛様」

向こうから優雅が歩いてきた。そのままスタスタとこっちに来て、わたくしにぐっと近づいた。そして、耳元で囁く。

「もたもたしてると遅れる」

時々、優雅は敬語を忘れる。無意識なのか、意図的なのか。わたくしは後者だと考えているけど。

「ええ、そうね。では、皆さん、行ってくるわ」

「「「行ってらっしゃいませ!」」」

ドアが締まり、家のロータリーから、車が滑るように走り出した。
< 3 / 75 >

この作品をシェア

pagetop