幼馴染みは、溺愛執事!?
Chapter 3
恐怖
どこかも分からない、夜の街をひたすら歩く。
スマホも置いてきたし、頼りになる優雅もいない。
…いつもなら、優雅に相談するのに。
あんなことを言われて戸惑っている今でも、そんなことを考えている。
「なぁ、ねぇちゃん、いいとこ連れてってあげるよ」
考え事をしていると、見るからに怪しい人達に話しかけられた。
「兄貴、いいやつ捕まえましたね」
「ほら、ついてきな」
「なんでわたくしが?名乗りなさいよ、無礼な人ね」
「めっちゃお嬢様じゃん。なんか燃えてきた」
「さっさと連れて行こーぜ」
「…痛いっ!何するのよ?」
腕を力任せに引っ張られ、鋭い痛みが走る。
「あぁ!?さっさとついてこいや」
「やめてっ!誰か助けて!」
叫んでも、周りの人は慣れたように素通りしてしまう。
「叫んでも誰も助けないよ?そういう街だから」
ニヤニヤと気持ち悪い笑みで言ってくる男達。