幼馴染みは、溺愛執事!?
スターライン邸は、うちの屋敷に引けを取らないほど豪奢な家だった。

あれよあれよと言う間に家に招き入れられ、応接室なのであろう部屋に通される。

しばらく待つと、星夜のお父様が入ってきた。

「久しぶりだな、心愛ちゃん」
 
「…ええ。お久しぶりですわね」

「そんなに緊張しなくてもいいんだよ?」

「緊張などしていませんわ。ただお父様が心配なだけですの。それから、うちの運転手のことも心配ですわね」

「ああ、そうかそうか。そんなに焦らなくても、彼は死んでいないぞ」

「存じておりますわ。わたくしがここに来ることで、あなた方がお父様を殺すかどうかを見極めているということも」

彼の目付きが変わった。

「なら話は早い。お前は一生ここで暮らすんだ。星夜の嫁としてな。運良く今日は『彼』はいないようだしな」

「分かりましたわ。お父様が助かるのなら、条件を呑みましょう。ただし、一つだけお願いがありますの」

「いいだろう。一つだけだがな」

「この馬鹿みたいな事件の真相を話してくださいませ」
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