幼馴染みは、溺愛執事!?


「何を言っているんだ。俺はそこまでアホじゃない。どこまで人を馬鹿にし続ける親子なんだっ!」 

「あら?『親子』ですか?お父様があなたになにかしましたの?」

「あいつは悪魔だっ!」

「悪魔、ですか」

「ああ、人並み以上に何でもでき、金持ちの息子だからと俺を見下し、あっという間にトップに上り詰め、それどころか女まで取りやがった!」

「女…お母様を…?」

「あいつはいいやつだった。金持ちに嫁げば一生楽に暮らせるだろうと思って伊集院に譲ったんだ。なのに…死なせやがった…!」

彼は、泣いていた。

手の届くはずのない所に行ってしまった人を想って、後悔して。

「そうだったんですのね。それで自作自演の襲撃を。でも、星夜はあなたではありませんわ。それに、無理矢理しようとする人を好く趣味は、残念ながらわたくしにはありませんの」

「あいつが…そんな事を…」

「ただ…そこまでしたくなるほど、お母様を想って下さっていたなら、嬉しいですわ。あなたが手を離しさえしなければ、まだ生きていたかも知れないですわね。それと…この前のパーティーでは…」

「心愛ちゃん…もういいよ」

「同情はしませんわ。きちんと罪を償って、あなたの計画の代償にされた息子さんを心配してはいかが?」

「悪かった、本当に悪かった。何をしてくれても構わないよ」

「そうですわね。では、失礼しますわ」

そう言って、部屋を出た。




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