幼馴染みは、溺愛執事!?
Epilogue
愛しい人
──翌日
「おはようございます、伊集院様」
久しぶりに学校に来ると、玄関で知らない女の子達に声をかけられた。
「えっと、どなたかしら?」
「榊理衣沙ですわ」
代表格のひとりがそう名乗る。
「榊財閥の方がなんの御用かしら?」
「申し訳ございませんでした。スターライン様を仕向けたのは私ですわ」
「え?」
「中等部にいた頃の話ですわ。それから、この前の事件、あなたのお父様が向かっていた先はうちとの会議でしたの。うちはお父様が総帥になってから経営が苦しくなって…。会議など、あの道を通らせるための罠でしかないわ…。スターライングループにかなり助けていただいていて断れなかった…」
泣き崩れながらも告白する彼女に、取り巻きの二人は目を見開いている。
プライドが高そうな彼女だが、実は自分の家のことで苦しんで来たのではないだろうか。
「そうなのね」
「…え?」
目を真っ赤にした彼女が顔を上げる。
「家のやったことでしょう?あなたが気に病むことは無いわ。話してくれてありがとう。あなたとは友人になりたいわ」
「…っ!ありがとうございます。光栄ですわ」
そう言って笑った彼女─理衣沙はとってもキレイだった。
「どういうことなのぉ?」
「意味がわかりませんわ!」
一部始終を放心状態で見ていた取り巻きたちが、理衣沙に文句をいう。
「心愛様は案外いい人のようだわ。なにはともあれ、あなた達よりは」
共通の敵を作ることで団結していた彼女たちは、理衣沙の見事な手のひら返しに呆然としている。
「…っ」
「あなた達、お名前は?理衣沙は名乗ったけれど、あなた方は無礼にも程があるわね?」
真正面から見つめてそう言うと。
「もう知りませんわ!」
「理衣沙様もその程度だったんですねぇ…!」
そう捨てゼリフをはいて、立ち去ってしまった。
「おはようございます、伊集院様」
久しぶりに学校に来ると、玄関で知らない女の子達に声をかけられた。
「えっと、どなたかしら?」
「榊理衣沙ですわ」
代表格のひとりがそう名乗る。
「榊財閥の方がなんの御用かしら?」
「申し訳ございませんでした。スターライン様を仕向けたのは私ですわ」
「え?」
「中等部にいた頃の話ですわ。それから、この前の事件、あなたのお父様が向かっていた先はうちとの会議でしたの。うちはお父様が総帥になってから経営が苦しくなって…。会議など、あの道を通らせるための罠でしかないわ…。スターライングループにかなり助けていただいていて断れなかった…」
泣き崩れながらも告白する彼女に、取り巻きの二人は目を見開いている。
プライドが高そうな彼女だが、実は自分の家のことで苦しんで来たのではないだろうか。
「そうなのね」
「…え?」
目を真っ赤にした彼女が顔を上げる。
「家のやったことでしょう?あなたが気に病むことは無いわ。話してくれてありがとう。あなたとは友人になりたいわ」
「…っ!ありがとうございます。光栄ですわ」
そう言って笑った彼女─理衣沙はとってもキレイだった。
「どういうことなのぉ?」
「意味がわかりませんわ!」
一部始終を放心状態で見ていた取り巻きたちが、理衣沙に文句をいう。
「心愛様は案外いい人のようだわ。なにはともあれ、あなた達よりは」
共通の敵を作ることで団結していた彼女たちは、理衣沙の見事な手のひら返しに呆然としている。
「…っ」
「あなた達、お名前は?理衣沙は名乗ったけれど、あなた方は無礼にも程があるわね?」
真正面から見つめてそう言うと。
「もう知りませんわ!」
「理衣沙様もその程度だったんですねぇ…!」
そう捨てゼリフをはいて、立ち去ってしまった。