夏の君


「ごめん、それ絶対重いのに」

「こんなの余裕!気にすんな」

「…ありがと。」

「それより」

申し訳無さそうな晶の表情と、それとは別に
何か違う様子に気付く。


「足、疲れたんだろ。少し休憩するか」

「えっ、気づいてたの。」

俺の言葉に晶は目を丸くする。

「ばーか。いつもそんな靴履かねぇだろ。
たく、無理しやがって」

「…だって」



河川敷まであともう少し、という所で俺達は近くの公園のベンチで少し休憩をすることにした。


いつもだったらそんな事から戯れ合う間柄だが、今日はなんとなくそういう気になれず、晶の顔もしっかり見ることができない。
まあ原因は分かってるんだけど…

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